部屋の照明を落とし、レコードプレーヤーの前に座ります。
針を落とすと、「Cochise」のギターが静寂を切り裂きます。
Audioslaveのデビュー作は、音の重さと余白が同時に迫る作品です。
CDや配信で聴き慣れた人でも、2枚組LPは印象が変わります。
低音の厚みと音の広がりが、演奏の力感を明確に伝えます。
本記事では、EU盤2LPを軸に本作の魅力を整理します。
なぜ今も語り継がれるのかを、冷静に掘り下げます。
CD版:AUDIOSLAVE
LP(アナログ盤):Audioslave -Hq/Gatefold- [Analog]
ジャケットデザイン

音楽スタイル

- 音楽ジャンル:オルタナティブロック/ハードロック
- 音楽的特徴:重いギターリフと、明確なリズムが軸です。Chris Cornellの歌声が、楽曲に広い表情を与えます。装飾を抑えた演奏が、曲の輪郭をはっきりさせます。
- 類似アーティスト:
- Soundgarden:ボーカル表現と重厚なサウンドの源流です。
- Rage Against The Machine:リズム隊の攻撃性が共通します。
- Led Zeppelin:ブルース基盤の重量感に通じます。
この作品のおすすめポイント3選
① 2枚組LPによる音の余裕
EU盤2LPは1面あたりの収録時間が短めです。
そのため低域が潰れにくく、音像が安定します。
中低音の厚みが、バンドの推進力を支えます。
② 曲順が生む集中力
4面構成により、楽曲の密度が整理されます。
激しい曲と抑制した曲が、面ごとに配置されます。
一気聴きでは得られない集中が生まれます。
③ 現行再発盤の扱いやすさ
EUリイシュー盤は入手性が安定しています。
ノイズも抑えられ、日常的な再生に向きます。
初めての所有にも適した仕様です。
作品基本情報
- 作品名:Audioslave
- アーティスト名:Audioslave
- 発売年:2002年(オリジナル)/ 2017年(EU盤2LP再発)
- レーベル:Epic / Interscope / Sony Legacy
- 品番:88985455331(EU盤2LP・2017年再発)
- 総再生時間:約65分
- 収録曲数:14曲
- フォーマット情報:
- US初期盤:1LP仕様(2002年)
- EU盤:2LP仕様・ゲートフォールド(2002年初回/2017年再発)
- Music On Vinyl盤:180g 2LP(2010年)※オリジナルEU盤と同じスタンパー使用
※再発年や細かな仕様差は流通元により異なります。
CD版:AUDIOSLAVE
LP(アナログ盤):Audioslave -Hq/Gatefold- [Analog]
作品紹介

Audioslaveは、Rage Against The Machine解散後に誕生しました。
楽器陣の3人と、Chris Cornellが合流します。
異なる個性を持つ4人が、純粋なロックを模索しました。
制作はRick Rubinが担当します。
過剰な装飾を避け、演奏そのものを前面に出しました。
当時のロックシーンは方向性を失いつつありました。
本作は、その流れに対する明確な回答でした。
リリース当初、批評家の評価は割れました。
革新性に欠けるという意見もありました。
一方でセールスは好調でした。
全米で3度のプラチナ認定を受け、リスナーには強く支持された作品です。
「Like a Stone」は2004年のグラミー賞でベストハードロックパフォーマンス部門にノミネートされました。
LPで聴くと、各パートの距離感が分かります。
Tom Morelloのギターは、空間的に配置されます。
リズム隊は重心を低く保ちます。
その上で歌声が自然に前へ出ます。
このアルバムは、派手さより持続力を選びました。
結果として、長く聴かれる作品になりました。
2000年代ロックの基準点の一つです。
CD版:AUDIOSLAVE
LP(アナログ盤):Audioslave -Hq/Gatefold- [Analog]
おすすめトラック3選
Cochise
アルバムの方向性を即座に示す楽曲です。
ギターの立ち上がりとリズムの強度が明確です。
LPでは音圧の変化が自然に伝わります。
Morelloの独特なギターテクニックが、冒頭から炸裂します。
バンドの攻撃性と技術力を象徴する一曲です。
Like a Stone
静と動の対比が際立つ代表曲です。
歌声の余韻と低音の支えが印象的です。
アナログ再生で立体感が増します。
Cornellの4オクターブに及ぶ声域が、この曲で存分に発揮されます。
感情の深さが、アナログの温かみと共鳴します。
I Am the Highway
抑制された構成が魅力の楽曲です。
音数の少なさが、空間を広く感じさせます。
夜にじっくり聴くのに適しています。
内省的な歌詞と、シンプルなアレンジが美しく響きます。
このバンドの幅広い表現力を証明する名曲です。
全収録曲リスト
- Cochise
- Show Me How to Live
- Gasoline
- What You Are
- Like a Stone
- Set It Off
- Shadow on the Sun
- I Am the Highway
- Exploder
- Hypnotize
- Bring Em Back Alive
- Light My Way
- Getaway Car
- The Last Remaining Light
アーティスト概要

Audioslaveの歴史
Audioslaveは2001年に結成されました。
Rage Against The Machineの活動停止が背景です。
ボーカルZack de la Rochaの脱退後、残された3人のメンバーが新たな表現の場を求めました。
プロデューサーRick Rubinの提案により、Chris Cornellが参加します。
Cornellは既に確立した存在でした。
Soundgardenのフロントマンとして、90年代グランジシーンを牽引した人物です。
高音域と感情表現に優れた歌手として知られていました。
彼の参加で、音楽性は大きく広がりました。
バンドは前身バンドの政治色を抑えました。
内面的なテーマが増えます。
その変化が、多くのリスナーを引き寄せました。
デビューアルバムは初登場全米7位を記録し、スタジアムクラスのバンドへと成長しました。
ライブバンドとしても評価されました。
演奏の再現性が高かった点が特徴です。
短期間で大規模な会場を埋めました。
2005年にはキューバで初のアメリカンロックバンドとして無料コンサートを開催し、歴史的な公演を実現しました。
2007年に活動を終了します。
3枚のアルバムを残しました。
いずれも完成度が高いです。
2017年1月には、トランプ大統領就任に抗議するコンサートで一夜限りの再結成を果たしましたが、同年5月にCornellが急逝し、完全な再結成の可能性は失われました。
Audioslaveは、時代の橋渡し役でした。
90年代と2000年代をつなぐ存在です。
現在も評価が下がることはありません。
全世界で推定3000万枚以上のセールスを記録し、その影響力は今も続いています。
CD版:AUDIOSLAVE
LP(アナログ盤):Audioslave -Hq/Gatefold- [Analog]
主要バンドメンバー
- Chris Cornell (Vo, Rhy. Gt)
- Tom Morello (Lead Gt)
- Tim Commerford (Ba, Backing Vo)
- Brad Wilk (Dr)
Audioslaveスタジオアルバム一覧
- Audioslave (2002) – デビュー作。バンドの方向性を確立した記念碑的作品。全米7位。
- Out of Exile (2005) – セカンドアルバム。全米1位を獲得し、商業的ピークを迎えた。
- Revelations (2006) – ラストアルバム。より実験的なアプローチを見せた意欲作。全米2位。
Chris Cornell – Soundgardenでのキャリア
Chris Cornell(1964年7月20日 – 2017年5月18日)は、シアトル出身のロック史に残るボーカリストです。
1984年、Kim ThayilとHiro Yamamotoと共にSoundgardenを結成しました。
シアトルのグランジシーンを代表するバンドとして、90年代ロックシーンに大きな影響を与えました。
Soundgardenは1989年にA&Mレコードと契約し、メジャーレーベルと契約した最初のグランジバンドとなりました。
1991年のアルバム『Badmotorfinger』で注目を集め、1994年の『Superunknown』で全米1位を獲得。
「Black Hole Sun」と「Spoonman」はグラミー賞を受賞し、バンドの代表曲となりました。
1997年にSoundgardenは解散しますが、2010年に再結成。
2012年にアルバム『King Animal』をリリースし、世界ツアーを成功させました。
しかし2017年5月18日、デトロイトでのライブ後、ホテルで突然の訃報が伝えられました。
ロック界に衝撃を与えた、あまりにも早すぎる死でした。
Soundgardenスタジオアルバム一覧
- Ultramega OK (1988) – SST Recordsからのデビュー作。グラミー賞ノミネート。
- Louder Than Love (1989) – A&Mレコードからのメジャーデビュー作。
- Badmotorfinger (1991) – 商業的ブレイクスルーを果たした作品。全米39位。
- Superunknown (1994) – 最高傑作。全米1位、グラミー賞2冠。代表曲「Black Hole Sun」収録。
- Down on the Upside (1996) – 解散前最後のアルバム。全米2位。実験的な音楽性を追求。
- King Animal (2012) – 再結成後の新作。16年ぶりのスタジオアルバム。
筆者の個人的感想

「Audioslave」は、流行に左右されない作品です。
どのフォーマットでも完成度は高いです。
特に2枚組LPは、音の密度を実感できます。
重いリフと歌声が、明確な形で届きます。
針を落とす時間そのものが、体験になります。
所有する価値を感じさせる一枚です。
CDでも配信でもLPでも構いません。
自分の環境に合った形で触れてください。
ロックの本質を再確認できる作品です。
重厚なサウンドを自宅で体感したい方には、このLP盤を強くお勧めします。
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