ジャケットデザイン

パンクが爆発する直前のロンドンには、別の緊張感がありました。
流行を追わず、60年代R&Bを鋭く更新するバンドたちの存在です。
The Count Bishopsは、その最前線に立っていました。
1977年に発表された本作は、荒々しく、重く、そして実直です。
Dr. Feelgoodとも、初期パンクとも異なる手触りがあります。
ロックンロールが本来持っていた衝動と熱量が、そのまま刻まれています。
流行ではなく、芯のある音を求める方にこそ手に取ってほしい1枚です。
💿 LP(アナログ盤):Count Bishops [Analog]
音楽スタイル

音楽ジャンル
パブロック、ガレージ・ロック、リズム&ブルース
音楽的特徴
歪んだギターが前に出た硬質なサウンドです。
テンポは速く、演奏は粗削りです。
Dave Ticeの太く張りつめたボーカルが、全体を力強く牽引します。
類似アーティスト
- Dr. Feelgood:同時代のパブロックを代表する存在
- Eddie and the Hot Rods:R&Bを加速させた点が共通しています
- The Rolling Stones(初期):ブルース感覚の基盤が近い
この作品のおすすめポイント3選
① パンク前夜の切迫感を記録した音
1977年という時代背景が、そのまま音に表れています。
整いすぎない演奏が、当時のロンドンの空気を生々しく伝えます。
後追いでは作れない緊張感が、この作品の価値です。
② カバー曲に表れる確かな解釈力
The Kinksなどの楽曲を、より荒く、重く再構築しています。
単なる焼き直しではなく、自分たちの血肉にしています。
選曲とアレンジの両面で、センスの高さが際立ちます。
③ 太く生々しい録音
インディレーベルChiswickによるライブ感重視の録音です。
各楽器の輪郭がはっきりしています。
アナログ盤では、特に低音の存在感を強く感じられます。
💿 LP(アナログ盤):Count Bishops [Analog]
作品基本情報
- 作品名:THE COUNT BISHOPS
- アーティスト名:The Count Bishops
- 発売年:1977年
- レーベル:Chiswick Records
- 総再生時間:約33分
- 収録曲数:12曲
フォーマット情報:
オリジナルはChiswickのLPとしてUK中心で流通しました。
地域や再発盤により、カップリングやボーナスが変わる場合があります。
作品紹介

本作は、UKインディペンデント・レーベルの草分けであるChiswick Recordsから発表されました。
同レーベルの最初期アルバムのひとつとして位置づけられています。
メジャー志向ではなく、パブのフロアをそのまま持ち込んだような制作姿勢が特徴です。
リリース当時の英国音楽シーンは、パンク台頭の真っただ中でした。
多くのバンドがスピードと破壊衝動を前面に出しはじめていました。
その中でThe Count Bishopsは、R&Bとロックンロールを核に据え続けました。
ただし懐古趣味ではなく、音圧とテンポを高めることで同時代性を獲得しています。
本作の楽曲は、60年代ブリティッシュ・ビートとUSガレージへの深い愛情に根ざしています。
The Kinksやストーンズ周辺の空気を感じさせるカバーと、オリジナル曲が自然に並びます。
演奏は荒々しくもタイトで、ロンドンのパブで鍛え上げられた実戦的な仕上がりです。
商業的には大ヒットとは言えず、当時はチャート上で目立つ存在ではありませんでした。
しかしパブロック〜ガレージR&Bの文脈では、後年「隠れた名盤」として再評価されています。
音楽史的には、60年代ビートと70年代後半のパンク衝動を橋渡しする作品です。
インディペンデント・レーベルの初期成功例としても語られます。
派手な成功とは無縁でしたが、後続バンドやコレクターにとって重要なリファレンスになりました。
流行の外側で鳴った音だからこそ、今も色褪せずに響きます。
💿 LP(アナログ盤):Count Bishops [Analog]
おすすめトラック3選
I Need You
The Kinksの楽曲を大胆に再解釈した1曲です。
原曲の軽やかさを削ぎ落とし、歪んだギターと厚いリズムで攻撃性を前面に出しています。
アルバム全体の方向性を示す重要なトラックで、バンドのR&Bルーツとスピード感が一度に味わえます。
Stay Free
バンドの持ち味が最も素直に出たオリジナル曲です。
リズム隊の推進力に、ツインギターが絡み合う構成が印象的です。
無駄のないアレンジが、曲全体のグルーヴと緊張感を高めています。
Down The Road Apiece
古典的ロックンロールを、当時のラウドな音像で鳴らしたカバーです。
ピアノが加わることで、バンドのアンサンブルが一気に躍動します。
スタジオ録音でありながら、パブでのライブを切り取ったような生々しさが魅力です。
全収録曲リスト
- I Need You
- Stay Free
- Down in the Bottom
- Talk to You
- Shake Your Moneymaker
- Down the Road Apiece
- Baby You’re Wrong
- Don’t Start Cryin’ Now
- Someone’s Got My Number
- Sometimes Good Guys Don’t Wear White
- You’re in My Way
- Taste and Try
アーティスト概要

バンドの成り立ちと背景
The Count Bishopsは、1975年にロンドンで結成されました。
アメリカ出身のボーカリストMike SpenserとギタリストZenon De Fleurが中心でした。
60年代R&Bカバーを武器に、ロンドンのパブロック・シーンで頭角を現します。
彼らは新設インディレーベルChiswick Recordsと契約し、同レーベル初のEPを発表しました。
Speedball EPは、疾走感のあるR&Bカバー集として知られています。
その後Spenserが脱退し、しばらくはギタリスト陣がボーカルを兼任しました。
やがてオーストラリア出身のシンガーDave Ticeが加入します。
彼は元々ドラマーPaul BalbiとともにハードロックバンドBuffaloで活動していました。
Tice加入により、ボーカルの存在感と音の重心が一気に増しました。
音楽的特徴とスタイルの変遷
The Count Bishopsの特徴は、R&Bへの深い理解とスピード感の同居です。
初期は60年代カバー中心でしたが、徐々にオリジナル曲の比率が増えました。
音像はより荒く、より攻撃的になり、パンク世代とも共鳴するサウンドへと進化します。
ライブでは、バーンと鳴りっぱなしのR&Bを立て続けに繰り出すスタイルでした。
スタジオ作品でも、その勢いを損なわない録音が意識されています。
結果として、パブロックの中でも特にラフで骨太なバンドとして記憶されています。
音楽シーンへの影響と他アーティストとの関係
The Count Bishopsは、商業的には大きな成功を収めませんでした。
しかし、Dr. Feelgood周辺のR&Bリバイバル勢と並び、シーンの重要な一角を担いました。
Eddie and the Hot RodsやThe 101ersと同じサーキットで演奏し、後続のガレージ系バンドにも影響を与えています。
Zenon De Fleurは1979年3月に交通事故で亡くなり、バンドは活動を縮小しました。
その一方で、1990年代以降の再発により、コレクターやDJから再評価が進みました。
今では、英国R&B〜パブロックを語る上で欠かせない存在と見なされています。
主要バンドメンバー(本作期)
- Dave Tice (Vo)
- Zenon De Fleur (Gt)
- Johnny Guitar (Gt)
- Steve Lewins (Ba)
- Paul Balbi (Dr)
スタジオアルバム一覧
- The Count Bishops (1977) – デビュー作にして代表作
- Cross Cuts (1979) – Zenon De Fleur生前最後の作品
筆者の個人的感想

『THE COUNT BISHOPS』は、流行とは無縁の場所で生まれたR&Bパブロックの名盤です。
だからこそ、今聴いても音の説得力がまったく失われていません。
荒削りで、重く、真っ直ぐなロックンロールが、短い収録時間にぎっしり詰まっています。
CDや配信なら手軽に、LPなら当時の空気ごと味わえるのが魅力です。
本物の熱量を手元に残したい方に、どのフォーマットでも強くおすすめできる1枚です。
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💿 LP(アナログ盤):Count Bishops [Analog]



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