パンクの革命児から、ジャンルの境界線を打ち破った先駆者へ。1979年、The Clashが放った衝撃作「London Calling」は、音楽史に新たな章を刻む伝説的アルバムとなった。
シンプルで荒々しいパンクサウンドから出発したThe Clashは、このアルバムで大胆な変貌を遂げる。レゲエ、ブルース、ジャズ、ロカビリー――従来のパンクの概念を軽々と飛び越え、彼らは音楽の可能性を限りなく広げていった。
当時のパンクファンからの批判も覚悟の上で、バンドは自分たちの信じる道を突き進んだ。その冒険は、ローリング・ストーン誌の「史上最高のアルバム500」で第8位に輝くという形で後世に認められることとなる。
19曲もの楽曲を収録しながら、1枚分の価格で2枚組アルバムをリリースするという異例の判断も、彼らの反骨精神を表していた。タイトルトラック「London Calling」から「The Guns of Brixton」まで、すべての楽曲が時代を超えて色褪せることのない輝きを放っている。
おすすめポイント3選
①レゲエ、ブルース、ジャズサウンドを前面に押し出したことで、ロック史に新たな扉を開いたアルバム。
②パンクの形に捕らわれることなく、自分たちのやりたい音楽を追求した音楽スタイル。
③The Blue Hearts、Rancidが好きな方にはオススメです。
音楽スタイル
このバンドほど音楽スタイルの垣根を超えたバンドはいない。
初期は、シンプルで激しいパンクサウンドを特徴としていましたが、次第にレゲエ、ロカビリー、ジャズ、スカ、ダブ、ファンクなど多様なジャンルを融合していきました。
最終的には、ポップやダンスミュージックの要素も加わりました。
アルバム名
LONDON CALLING
アーティスト名
The Clash
アルバム紹介
1979年にリリースされた3rdアルバムです。
言わずと知れたThe Clashの超絶大名盤にして、同時に賛否両論を巻き起こしたアルバムです。
PUNK ROCKバンドでありながら、レゲエ、ブルース、ジャズサウンドが前作より前面に押し出されています。
更に話題を呼んだのは、収録曲数が全19曲で発売当時はLPで2枚組でしたが販売価格は1枚分でした。
商業的にはUSチャート27位、UKチャート9位にチャートインし成功しました。
2003年のローリング・ストーン誌の「史上最高のアルバム500」で第8位を獲得した事や、2006年のタイム誌「史上最高のアルバム100」にも選出されました。
アルバムのタイトルトラック「London Calling」は、反体制的な歌詞と耳に残るリフで聞く人を引き込みます。
「Brand New Cadillac」、「Wrong ‘Em Boyo」、「Revolution Rock」はカバー曲はですが選曲が最高です。
「Brand New Cadillac」はVince Taylorのロカビリーナンバー。
「Wrong ‘Em Boyo」はClive Alphonsoの
「Revolution Rock」はJackie Edwards/Danny Rayのレゲエナンバー
他の楽曲も名曲が多数収録されており、特に「Spanish Bombs」や「The Guns of Brixton」などが私の好きな曲です。
このアルバムは、音楽の垣根を超えて全音楽ファンにとって必聴の作品です。
■概要
リリース:1979年
レコード会社:Epic Record
収録時間:65:07
■収録曲
1.London Calling
2.Brand New Cadillac
3.Jimmy Jazz
4.Hateful
5.Rudie Can’t Fail
6.Spanish Bombs
7.The Right Profile
8.Lost In The Supermarket
9.Clampdown
10.The Guns Of Brixton
11.Wrong ‘Em Boyo
12Death Or Glory
13.Koka Kola
14.The Card Cheat
15.Lover’s Rock
16.Four Horsemen
17.I’m Not Down
18.Revolution Rock
19.Train In Vain
バンド概要
イギリス出身の4人組パンク・バンド。
The Sex Pistols、The Damnedと並ぶ3大パンク・バンドの一翼を担いました。
活動期間は、1976年〜1986年と当時のパンク・バンドとしては長く活動しておりました。
1976年にSex Pistolsのライブに衝撃を受けたMick Jones(Gt.&Vo)がPaul Simonon(Ba.)に声がけし、そこにJoe Strummer(Vo&G)が参加してバンド結成しました。
同年にCBSレコードと契約し、Terry Chimes(Dr.)が脱退した後に、Topper Headon(Dr.)が加入。
1977年にデビュー・アルバム「THE CLASH」をリリースし、評判となり、翌年には2ndアルバムをリリース。
そして、1979年には、これまでのパンクサウンドから路線変更して、ダフ、レゲェ等を取り入れた3rdアルバム「LONDON CALLING」をリリース。
この3rdアルバムは、従来のパンクファンから批判を受けましたが、裏腹に世界的にヒット作となりました。
その後、実験的な動きが加速して、3枚組アルバムや、話題作りの為にJoe Strummer(Vo&G))の失踪等を演出して、メンバー間に歪みが生まれてしまいました。
そんな中、Topper Headon(Dr.)がヘロイン中毒で脱退してしまい、Mick Jones(Gt.&Vo)もクビを宣告されて、バンドは崩壊の危機に瀕します。
バンド内がボロボロのなか、サポートメンバーを加えつつ、1985年に「CUT THE CRAP」をリリースしますが、評判は芳しくありませんでした。
1986年に解散してしまいました。
2002年に、The Clashはロックの殿堂入りを果たし、同年の12月22日には、Joe Strummer(Vo&G)が自宅で心臓発作により亡くなりました。
■主要メンバー
・Joe Strummer(Vo&G)
・Mick Jones(Gt.&Vo)
・Terry Chimes(Dr.)
・Topper Headon(Dr.)
まとめ
London Calling」は、音楽の可能性を広げた歴史的名盤として、今なお多くの音楽ファンから支持され続けています。パンクロックという枠組みにとらわれず、レゲエ、ジャズ、ブルース、ロカビリーなど、様々なジャンルを融合させた彼らの冒険は、後のロック音楽に計り知れない影響を与えました。
反体制的な歌詞と耳を捉えるメロディ、そして19曲という豊富な収録曲数。The Clashは、音楽への真摯な姿勢と創造性によって、単なるパンクバンドを超えた存在となりました。
2003年にローリング・ストーン誌で8位に選ばれ、2006年にはタイム誌の「史上最高のアルバム100」にも選出されたことからも、その価値は揺るぎないものと言えるでしょう。
The Clashが1979年に示した音楽的な挑戦は、40年以上の時を経た今でも、私たちの心を揺さぶり続けています。音楽の垣根を超えて、すべての音楽ファンに聴いていただきたい永遠の名盤です。
コメント