「パンクロックって興味はあるけど、どこから聴き始めればいいか分からない…」そんな風に思っている方は多いのではないでしょうか。
確かにパンクと聞くと「ただ速くてうるさいだけ」「攻撃的で取っつきにくい」というイメージを持たれがちです。でも実は、パンクの中にもメロディアスで心に響く楽曲がたくさんあるんです。
今回ご紹介するのは、DOWN BY LAWの『PUNKROCKDAYS: THE BEST Of DBL』。このアルバムは、パンクロックの持つエネルギーはそのままに、キャッチーなメロディーとエモーショナルな歌詞が絶妙に融合した、まさに「メロディックパンクの教科書」とも言える1枚です。
Punkrockdays: Best of Dbl
ジャケットデザイン

音楽スタイル
パンクロックを基調としながらも、ルーツロックの要素やニューウェーブのメロディが融合したサウンドです。
ハードコア的なエネルギーとメロディックな要素が融合したパンクロックスタイル。
パンクの精神を保ちつつ、メロディックなエッジの効いた独自性。
おすすめポイント3選
①後続のパンクバンドや、メロディック・ハードコア系に影響を与えたレジェンド的存在の歴史が詰まった1枚です。
②「ただ速いだけ」「ただうるさいだけ」ではない、エモーショナルかつキャッチーなパンクを体現できます。
③ファン投票で選ばれた初期(デビュー作から5作目まで)の代表的な名曲が多数収録された入門盤です。
Punkrockdays: Best of Dbl
アルバム基本情報
作品名:PUNKROCKDAYS: THE BEST Of DBL
アーティスト名:DOWN BY LAW
発売年:2002年
レーベル:Epitaph Records
総再生時間:55分00秒
収録曲数:19曲
アルバム紹介
2002年にリリースされた彼らの初期(デビュー作から5作目まで)の曲をファン投票でまとめたベストアルバムです。
初期5作品(Epitaphからリリースされた作品)から選ばれており、移籍後の作品は収録されていないため、バンドのオールタイムベストではありませんが、充分バンドの魅力は伝わり入門編としては最適です。
ただ、「曲順が時系列でないため、アルバムとしての流れがやや散漫」との声もあります。
このアルバムを聞けば、彼らの作品がエモーショナルかつキャッチーな楽曲構成されていて、「ただ速いだけ」「ただうるさいだけ」のパンクバンドではないことが理解できます。
DOWN BY LAWを初めて聴く方や、90年代〜2000年代のEpitaph系パンクバンドのサウンドが好きな方や、メロディックパンクの「王道」「入門盤」を探している人。
■収録曲
1.Independence Day
2.Flower Tattoo
3.Punk As Fuck
4.Burning Heart
5.All American
6.Right Or Wrong
7.No Equalizer
8.Ivory Girl
9.Gruesome Gary
10.Superman
11.Last Brigade
12.Best Friends
13.Hit Or Miss
14.Bright Green Globe
15.Goodnight Song
16.1944
17.I’m Gonna Be(500 Miles) ※The Proclaimersのカバー曲
18.Radio Ragga
19.In A Big Country(bonus track)
バンド概要
1989年に元ALL・DAG NASTYの ヴォーカリストとしても知られるDAVE SMALLEY(Vo.)を中心にアメリカで結成されました。
元ALLらしく癖の強いメロディと疾走感あふれるメロディでアメリカのみならず、ここ日本でも人気のバンドです。
DAVE SMALLEY(Vo.)以外は流動的でメンバーの固定化に苦労してました。
1994年にリリースしたアルバム「PUNKROCKACADEMYFIGHTSONG」の時のラインナップ(Sam Williams III (Gt.)、John DiMambro (Ba.)、Hunter Oswald(Dr.)はファンの間では黄金期と呼ばれており、最も人気のラインナップです。
バンドは初期からEpitaph Recordsと1998年まで契約してましたが、以降はGo-Kart Recordsなどに移籍しました。
03年に活動休止し08年に再開させ、2012年にはなんと9年ぶりの新譜をリリースしました。
商業的な大ヒットはないものの、パンクシーンにおいて独自のメロディック・パンクとして地位を築き、多くのパンクキッズや同業バンドに強い影響を与えています。
■スタジオアルバム
・DOWN BY LAW(1991年)
・BLUE(1992年)
・PUNKROCKACADEMYFIGHTSONG(1994年)
・ALL SCRATCHED UP!(1996年)
・LAST OF THE SHARPSHOOTERS(1997年)
・FLY THE FLAG(1999年)
・WINDWARDTIDESANDWAYWARDSAILS(2003年)
・CHAMPIONS AT HEART(2012年)
・All In(2018年)
・Lonely Town(2021年)
・Crazy Days(2024年)
■主要メンバー
・Dave Smalley(Vo.)
・Sam Williams(Gt.)
・John DiMambro(Ba.)
・Hunter Oswald(Dr.)
筆者の個人的感想
「Punk As Fuck」のような直球勝負の楽曲から、「Goodnight Song」のような叙情的なナンバーまで、19曲という限られた収録曲数の中に、これほどバラエティ豊かな表現を詰め込めるのは、やはり彼らの音楽的センスの高さの証拠だと思います。
個人的に一番好きなのは「Last Brigade」です。疾走感とメロディーのバランスが絶妙で、車の運転中に聴くと思わずアクセルを踏んでしまいそうになります(もちろん安全運転は心がけていますが)。
ベストアルバムにありがちな「つなぎの楽曲」が一切ないのも素晴らしい点です。どの曲から聴き始めても、DOWN BY LAWの魅力を十分に感じられる構成になっています。
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