はじめに:新しい音楽との出会いが、人生を変える
音楽は時に、人生の色を変えます。
朝の通勤、夜の帰り道、何気ない日常が、一枚のアルバムで特別な時間になる。
そんな体験を約束してくれるのが、THE HIGHのデビュー作『Somewhere Soon』です。
1990年、マンチェスター・シーンが最も輝いていた時代に生まれたこのアルバムは、Stone Rosesの初期メンバーだったAndy Couzensが中心となって制作した、知る人ぞ知る傑作です。
爽やかなギターポップ、透明感あふれるメロディ、そして英国ロック特有の憂いを帯びた美しさ。
このアルバムには、**30代から60代の音楽ファンが心から求める「本物」**があります。
Somewhere Soon
ジャケットデザイン

THE HIGHの音楽スタイル
- 音楽ジャンル: インディー・ロック、ギターポップ、バギー、UKロック
- 音楽的特徴: 爽やかで透明感のあるギターサウンド、60年代サイケデリックの影響、明るく心地よいメロディライン
- 類似アーティスト: The Stone Roses、The La’s、Inspiral Carpets、Primal Scream、The House of Love
『Somewhere Soon』おすすめポイント3選

1. Stone Roses直系の血統が生んだ本物のサウンド
ギタリストのAndy Couzensは、Stone Rosesの初期メンバーです。
彼は伝説的なアルバム『Garage Flower』に参加し、「So Young」などの初期楽曲を共に作り上げました。
ドラマーのChris GoodwinはInspiral Carpetsの元メンバーです。
つまりこのアルバムは、マンチェスター・シーンの中心にいたミュージシャンたちが結集した、正真正銘の「本物」なのです。
2. 伝説のプロデューサーMartin Hannettが手がけた名曲
アルバムのオープニング曲「Box Set Go」は、Joy Divisionを世界的バンドに育て上げたMartin Hannettがプロデュースしました。
Hannettが最後に手がけた作品の一つとして、音楽史に残る重要な楽曲です。
透明感あふれるギターサウンドと、心に残るメロディ。
初めて聴いた瞬間から、あなたの心を掴んで離しません。
3. 高い批評家評価と熱狂的なファンの支持
発売当時、NME誌などの音楽メディアから絶賛されました。
Discogsでの評価は5点満点中3.99点、Rate Your Musicでも高評価を獲得しています。
**「Stone Rosesのデビューアルバムに匹敵する完成度」**との声も多く、今なお語り継がれる名盤です。
2016年にはWarner Brothersが再発売し、新世代のファンも獲得しています。
Somewhere Soon
アルバム基本情報
- 作品名: Somewhere Soon
- アーティスト名: THE HIGH
- 発売年: 1990年
- レーベル: London Records (FFRR Records)
- 総再生時間: 約46分
- 収録曲数: 10曲
作品紹介:マンチェスターが生んだ隠れた傑作

『Somewhere Soon』は、1989年に結成されたTHE HIGHの唯一の完全版スタジオアルバムです。
バンドはマンチェスターのRitz Ballroomでの初ライブ後、即座にLondon Recordsと契約しました。
制作は複雑な経緯をたどりました。
当初、伝説的プロデューサーMartin Hannettがアルバム全体を手がける予定でした。
しかし彼の健康問題により、「Box Set Go」を含む数曲のみを担当することになります。
残りの楽曲はJohn Williamsがプロデュースしました。
この二人のプロデューサーの個性が融合し、独特の魅力を持つアルバムが完成したのです。
アルバムの特徴は、60年代ギターポップの影響を色濃く受けた明るいサウンドです。
Andy Couzensのアイデアで、インド系打楽器奏者Pandit Dineshがタブラで参加しています。
これが楽曲に独特の広がりと深みを与えています。
発売後、アルバムはUKアルバムチャートで59位を記録しました。
シングル「Box Set Go」「Take Your Time」「Up & Down」がチャートインし、1991年にはリミックス版「Box Set Go」がトップ30入りを果たします。
批評家たちは、このアルバムをStone Rosesのデビュー作と並ぶ完成度と評価しました。
しかし商業的な大成功には至らず、バンドは1993年に解散します。
それでもこのアルバムは、マンチェスター・シーンの重要な作品として語り継がれています。
2015年にバンドは再結成し、2016年には25年ぶりの新曲をリリースしました。
Somewhere Soon
聴くべきおすすめトラック3選
1. Box Set Go
選曲理由: Martin Hannett最後の傑作。軽やかなギターリフと忘れられないメロディが、一度聴いたら頭から離れません。「I have always felt this way」という歌い出しが、聴く者の心を一瞬で掴みます。
2. Up & Down
選曲理由: Andy CouzensがStone Roses在籍中に書いた楽曲です。当時John Squireに却下されましたが、THE HIGHで花開きました。ダイナミックな展開と情熱的なボーカルが光る、アルバム最高峰の名曲です。
3. Dreams Of Dinesh
選曲理由: Pandit Dineshのタブラが効果的に使われた、サイケデリックな雰囲気が魅力の楽曲です。60年代のByrdsを思わせるギターサウンドが、聴く者を音の世界に引き込みます。
収録曲一覧(全10曲)
- Box Set Go
- Take Your Time
- This Is My World
- Rather Be Marsanne
- So I Can See
- A Minor Turn
- Dreams Of Dinesh
- Up & Down
- P.W.A.
- Somewhere Soon
THE HIGHとは?アーティスト詳細情報

THE HIGHの成り立ち
THE HIGHは1989年、マンチェスターで結成されました。
中心メンバーのAndy Couzensは、Stone Rosesの創設メンバーの一人です。
彼は1983年から1986年までバンドに在籍し、「So Young」「Tell Me」などの初期楽曲に参加しました。
The PatrolやThe Waterfrontといった前身バンドで、Ian BrownやJohn Squireと共に活動していた人物です。
Stone Roses脱退後、彼はFlag of Convenienceなどのバンドを経て、THE HIGHを結成します。
ボーカルのJohn Matthewsは、Turning Blueの元メンバーです。
ドラマーのChris GoodwinはInspiral Carpetsに在籍していました。
また、The WaterfrontというStone Rosesの前身バンドでもAndy Couzensと共に活動していた人物です。
ベーシストのSimon DaviesもBuzzcocks F.O.C.の出身です。
つまりTHE HIGHは、**マンチェスター・シーンの重要バンドを経験した実力派たちが集まった「スーパーグループ」**でした。
バンドの音楽性は、Stone Rosesよりも明るく、60年代ギターポップの影響が強いスタイルです。
マッドチェスター・ムーブメントの周辺に位置しながら、独自の個性を確立しました。
1993年に解散後、John MatthewsとChris GoodwinはOne Summerというバンドを結成します。
2015年、John MatthewsとAndy Couzensを中心にバンドは再結成されました。
2016年には25年ぶりの新曲「Kiss the Sun」をリリースし、現在も活動を続けています。
メンバー一覧
- John Matthews (Vo)
- Andy Couzens (Gt) – 元The Stone Roses
- Chris Goodwin (Dr) – 元Inspiral Carpets、元The Waterfront
- Simon Davies (Ba) – 元Buzzcocks F.O.C.
スタジオアルバム
- Somewhere Soon (1990)
- Hype (未発売・一部のみリリース)
※2020年にはMartin Hannettが手がけた未発表セッション音源がRecord Store Dayで限定リリースされました。
まとめ:この一枚があなたの音楽人生を変える

『Somewhere Soon』を初めて聴いたとき、まるで時間が止まったような感覚に襲われました。
このアルバムには、マンチェスター・シーンの「光」の部分が詰まっています。
Stone Rosesのような革新性はないかもしれません。
でも、純粋に「良い音楽」を作ろうとする情熱が、すべての音から伝わってきます。
Andy Couzensのギターは、John Squireとは違った魅力を持っています。
より軽やかで、より優しく、より温かい。
John Matthewsのボーカルは、少年のような無垢さと大人の憂いを併せ持っています。
特に**「Up & Down」**を聴いてください。
この曲を聴けば、なぜAndy CouzensがStone Rosesを離れたのか、そして彼が本当に作りたかった音楽は何だったのかが分かります。
このアルバムは、Amazonで手軽に入手できます。
大切なのは、この音楽と出会うことです。
30年以上前の作品ですが、音楽の本質的な美しさは色褪せません。
Stone Rosesファンはもちろん、The La’sやInspiral Carpetsが好きな方にも強くおすすめします。
あなたの音楽ライブラリーに、この隠れた名盤を加えてみませんか?
きっと、毎日がもっと豊かになるはずです
マンチェスターの隠れた名盤THE HIGH『Somewhere Soon』で音楽の喜びを!!



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