ジャケットデザイン

1978年、ロンドンで何かが始まった
70年代末のロンドンで、パンクの速度とポップのひねくれを同時に鳴らしたバンドがXTCです。
デビュー作「WHITE MUSIC」は、その後のギター・ポップの設計図のようなアルバムです。
変則的なリズムと、とがったギター、耳から離れないメロディが一気に押し寄せます。
批評家は**「エネルギーと独創性に満ちている」**と評価し、今も多くのリスナーを魅了しています。
パンク以降の「知的なポップ」の出発点がここにあります。
Amazonで手軽に手に入る今こそ、XTCの原点に触れてほしい一枚です。
レコード⇒White Music – 200gm Vinyl [Analog]
CD⇒White Music
音楽スタイル

音楽ジャンル
ポストパンク/ニューウェイブ/ギター・ポップ
音楽的特徴
- 速いテンポとひねくれたコード進行が同居しています
- 神経質なギターと、跳ねるリズムが全曲を貫いています
- 皮肉とユーモアが混ざった歌詞世界が特徴です
類似アーティスト
Wire/Elvis Costello/Talking Heads/The Jam
おすすめポイント3選

1. デビュー作とは思えない完成度
曲ごとの個性がはっきりしており、批評家から高く評価されています。
AllMusicのレビューでは**「無方向なエネルギーと優れたユーモアセンスが光る」**と称賛されました。
短期間のレコーディングとは思えない密度の高さが、40年以上経った今も色褪せない理由です。
2. パンクとポップの絶妙なバランス
パンクの勢いとポップなメロディが両立しています。
批評家は**「エキサイティングで、あまりにも容赦なくエネルギッシュ」**と評しています。
**「後のXTCの片鱗がすでにある」**と再評価が進んでいる作品です。
3. フォーマット別の楽しみ方
リマスター盤CDは音の抜けが良く、細かなフレーズまで聞き取りやすくなっています。
UK盤LPはミックスが際立ち、音の立体感があると評価されています。
US盤LPはややタイトでパンチのある印象と語られています。
200gリマスターLPは、Andy Partridge本人の承認を得た最新カッティングで荒々しさを味わえます。
レコード⇒White Music – 200gm Vinyl [Analog]
CD⇒White Music
基本データ
作品名
WHITE MUSIC
アーティスト名
XTC
発売年
1978年
レーベル
Virgin Records(UK)/Epic Records(US盤 PE38153)
総再生時間
約38分
収録曲数
12曲
作品紹介

制作背景
XTCは英スウィンドン出身で、パンクの熱気が残るロンドンのシーンから登場したバンドです。
「WHITE MUSIC」は1978年1月20日にVirginから発売されたデビュー・アルバムです。
UK アルバムチャートで38位を記録しました。
プロデューサーはJohn Leckieで、レコーディングは短期間で行われました。
ほとんどがライブ感を生かした一発録りに近い空気で、勢いが詰まっています。
Andy Partridge本人は**「4年分の曲を一気に録音した。騒々しく、傲慢で、尖っていて、注目を求めていた」**と振り返っています。
世間的な評判
ギターのカッティングと、せわしないボーカルが絡み合うサウンドは当時かなり異質でした。
シングル**「This Is Pop?」のタイトルは、文字通り「ポップとは何か」を問い直すような曲**です。
もう一つのシングル**「Statue Of Liberty」は、BBCラジオ1で歌詞のため放送禁止**となりました。
皮肉なユーモアと、ストリート感覚を持つ歌詞も支持されています。
発売当時のチャート成績は高くありませんが、批評家の間では早くから注目されました。
Stereogumは2014年に**「ざらざらした、ハイパーアクティブなポストパンクのコレクション」**と表現しました。
後年になるほど、「オルタナ世代の先駆け」として重要度が増している作品です。
フォーマット違いについて
UKオリジナルはVirgin盤LPで、青いラベルデザインやジャケットの質感でコレクター人気があります。
US盤LP PE38153はEpicからのリリースで、レーベルデザインや音圧の違いを楽しめます。
Discogsのレビューでは**「UK盤のミックスがより際立っていて、よくプロデュースされている」**と評価されています。
一般的にUK盤は中域が前に出る傾向、US盤はややタイトでパンチのある印象と語られています。
CDや配信ではリマスターが施され、細かなフレーズまで聞き取りやすくなっています。
2017年には200g重量盤LPが発売され、LOUD masteringでのカッティングが施されました。
荒々しい勢いを味わいたいならLP、全体のバランスで聴き込みたいならCDや配信がおすすめです。
AmazonではCDや配信が中心ですが、中古のLPが出品されることもあります。
レコード⇒White Music – 200gm Vinyl [Analog]
CD⇒White Music
おすすめトラック3選
Radios In Motion
アルバム冒頭を飾る、速度感あふれるナンバーです。
イントロからいきなりせわしないギターが畳みかけ、耳をつかみます。
「Radios in Motion」はバンドのよく知られた曲の一つとなりました。
ラジオをテーマにしながら、音楽そのものの熱を歌う曲です。
XTCの「落ち着かないポップセンス」が最初から全開になっています。
This Is Pop?
シングル曲であり、タイトル通り「これはポップなのか?」と自問する一曲です。
キャッチーなのに素直に歌い上げない、ねじれたメロディが癖になります。
パンク以降のポップがどの方向に進むかを示した、象徴的な楽曲です。
XTC入門としても、バンドの姿勢がよく伝わる一曲です。
Statue Of Liberty
少しトーンを落としつつも、相変わらず神経質なギターが走る曲です。
恋愛と自由のイメージを、皮肉とユーモアを交えて描いています。
サビのメロディが耳に残りやすく、アルバムの中で程よいポップさを担っています。
XTCの「変わったラブソング」が好きな人に刺さる一曲です。
全収録曲名
- Radios In Motion
- Cross Wires
- This Is Pop?
- Do What You Do
- Statue Of Liberty
- All Along The Watchtower
- Atom Age
- I’ll Set Myself On Fire
- I’m Bugged
- New Town Animal In A Furnished Cage
- Spinning Top
- Neon Shuffle
アーティスト概要

XTCの成り立ち
XTCは1972年に英スウィンドンでAndy PartridgeとColin Mouldingによって結成されました。
初期はStar Parkという名前で、グラム・ロックやサイケの影響を受けたサウンドでした。
1973年にはThe Helium Kidzに改名し、パンクシーンに合わせていきました。
1975年夏、コメディアンJimmy Duranteが出演する映画にインスパイアされてXTCという名前に決定しました。
パンク勃興期に合わせて、テンポを上げたタイトなスタイルへ変化します。
1978年の「WHITE MUSIC」でメジャーデビューし、ニューウェイブの一角として知られます。
XTCの特徴
その後はアルバムごとに作風を変え、ポップ職人としての評価を高めました。
特徴は、ひねくれたコード進行と、緻密なアレンジです。
メロディ自体はキャッチーですが、ストレートには行かない構成が魅力です。
歌詞は社会風刺や日常の違和感を描くことが多く、独特のユーモアがあります。
80年代以降はライヴ活動を減らし、スタジオ作業に集中する方向へ進みました。
後続のオルタナ勢やギター・ポップ・バンドから、たびたび影響源として名前が挙がります。
主要バンドメンバー(WHITE MUSIC期)
- Andy Partridge (g, vo)
- Colin Moulding (b, vo)
- Barry Andrews (key)
- Terry Chambers (dr)
スタジオアルバム一覧
- White Music(1978)
- Go 2(1978)
- Drums And Wires(1979)
- Black Sea(1980)
- English Settlement(1982)
- Mummer(1983)
- The Big Express(1984)
- Skylarking(1986)
- Oranges & Lemons(1989)
- Nonsuch(1992)
- Apple Venus Volume 1(1999)
- Wasp Star (Apple Venus Volume 2)(2000)
筆者の個人的感想

「WHITE MUSIC」は、音楽の「正解」を疑った作品です。
パンクが破壊したものの先に、何を建てるべきか。
**XTCの答えは「ひねくれたポップ」**でした。
この作品を聴くと、音楽には無限の可能性があると気づかされます。
デビュー作でありながら、すでに確立された個性がそこにはあります。
Amazonで今すぐ手に入るこの作品を、ぜひあなたの音楽コレクションに加えてください。
CDでも、配信でも、LPでも、どの形で聴いても価値があります。
「ポップとは何か?」という問いに、あなた自身の答えを見つける旅が始まります。
レコード⇒White Music – 200gm Vinyl [Analog]
CD⇒White Music



コメント
すてきなご紹介文をありがとうございます
コメントありがとうございます。