今回は、パンクロックの金字塔として知られるThe Clashの名作「GIVE ‘EM ENOUGH ROPE」についてご紹介します。1978年にリリースされたこの2ndアルバムは、パンクの真髄を保ちながらも、より洗練された音楽性で多くのリスナーを魅了した歴史的な一枚です。
The Clashのゴールデンメンバーが初めて集結したこのアルバムは、全英2位を記録し、バンドの転換期を象徴する作品として高く評価されています。初期のパンクサウンドからの進化を遂げつつ、後の名盤「LONDON CALLING」への布石となった重要な一作でもあります。
パンクロックファンはもちろん、The Blue HeartsやRancidのファン、さらにはロックミュージック全般に興味をお持ちの方にもお勧めしたい永遠の名盤について、詳しくご紹介していきましょう。
ジャケットデザイン
![](https://chachamaru0903.com/wp-content/uploads/2025/01/ジャケットデザイン-3-768x1024.jpg)
アルバム名
GIVE ‘EM ENOUGH ROPE
アーティスト名
The Clash
おすすめポイント3選
①デビューアルバムよりサウンドがポップになり聞きやすくなった。
②今作からドラムがTopper Headon(Dr.)に替わり、全盛期直前のバンドの勢いが感じられる。
③The Blue Hearts、Rancidが好きな方にはオススメです。
音楽スタイル
このバンドほど音楽スタイルの垣根を超えたバンドはいない。
初期は、シンプルで激しいパンクサウンドを特徴としていましたが、次第にレゲエ、ロカビリー、ジャズ、スカ、ダブ、ファンクなど多様なジャンルを融合していきました。
最終的には、ポップやダンスミュージックの要素も加わりました。
アルバム紹介
このアルバムは、1978年にリリースされた2ndアルバムです。
全英2位、USチャートでは128位に輝いたヒットアルバムです。
1stアルバムの初期パンクサウンドから、ロックンロールやポストパンクの要素を取り入れ音楽の幅を広げた作品です。
1stアルバムよりポップ色が高まった事で、一部の熱狂的なパンクスからは不評でした。
このアルバムの音楽的多様性は、次の歴史的大名盤として名高い3rdアルバムの源流となっております。
そして、ドラムがTerry Chimes(Dr.)からTopper Headon(Dr.)に替わり、ゴールデン・ライナップとなってリリースした最初のアルバムです。
個人的にはこのメンバーが大好きです。
1曲目から名曲の「Safe European home」です。
「Tommy gun」は問答無用で名曲です。
「Julie’s been working for the drug squad」はパブロックのようでゴキゲンな曲です。
最後の「All the young punks」は個人的に大好きな曲です。
パンク・ロックの枠を超え、ロックの歴史においても必聴のアルバムだと思います。
■概要
リリース:1978年
レコード会社:イギリス盤がCBS Record、アメリカ盤がEpic Record
収録時間:37:02
■収録曲
1.Safe European Home
2.English Civil War
3.Tommy Gun
4.Julie’s Been Working for the Drug Squad
5.Last Gang in Town
6.Guns on the Roof
7.Drug-Stabbing Time
8.Stay Free
9.Cheapskates
10.All the Young Punks
バンド概要
イギリス出身の4人組パンク・バンド。
The Sex Pistols、The Damnedと並ぶ3大パンク・バンドの一翼を担いました。
活動期間は、1976年〜1986年と当時のパンク・バンドとしては長く活動しておりました。
1976年にSex Pistolsのライブに衝撃を受けたMick Jones(Gt.&Vo)がPaul Simonon(Ba.)に声がけし、そこにJoe Strummer(Vo&G)が参加してバンド結成しました。
同年にCBSレコードと契約し、Terry Chimes(Dr.)が脱退した後に、Topper Headon(Dr.)が加入。
1977年にデビュー・アルバム「THE CLASH」をリリースし、評判となり、翌年には2ndアルバムをリリース。
そして、1979年には、これまでのパンクサウンドから路線変更して、ダフ、レゲェ等を取り入れた3rdアルバム「LONDON CALLING」をリリース。
この3rdアルバムは、従来のパンクファンから批判を受けましたが、裏腹に世界的にヒット作となりました。
その後、実験的な動きが加速して、3枚組アルバムや、話題作りの為にJoe Strummer(Vo&G))の失踪等を演出して、メンバー間に歪みが生まれてしまいました。
そんな中、Topper Headon(Dr.)がヘロイン中毒で脱退してしまい、Mick Jones(Gt.&Vo)もクビを宣告されて、バンドは崩壊の危機に瀕します。
バンド内がボロボロのなか、サポートメンバーを加えつつ、1985年に「CUT THE CRAP」をリリースしますが、評判は芳しくありませんでした。
1986年に解散してしまいました。
2002年に、The Clashはロックの殿堂入りを果たし、同年の12月22日には、Joe Strummer(Vo&G)が自宅で心臓発作により亡くなりました。
■主要メンバー
・Joe Strummer(Vo&G)
・Mick Jones(Gt.&Vo)
・Terry Chimes(Dr.)
・Topper Headon(Dr.)
気になる方はコチラ
まとめ
このように、「GIVE ‘EM ENOUGH ROPE」は、The Clashの音楽的進化を如実に示す重要なアルバムと言えます。従来のパンクロックの枠を超えて、より幅広い音楽性を追求し始めた転換点であり、後の傑作「LONDON CALLING」への重要なステップとなった作品です。
また、Topper Headonが加入して完成された黄金期のラインナップによる初アルバムとしても、バンドの歴史において特別な位置づけにあります。「Safe European Home」「Tommy Gun」をはじめとする数々の名曲は、40年以上を経た今なお色褪せることなく、現代のミュージシャンたちにも大きな影響を与え続けています。
パンクロックファンはもちろんのこと、1970年代のロック史に興味をお持ちの方にも、ぜひ一度じっくりと聴いていただきたい永遠の名盤です。今でもストリーミングで手軽に聴けますので、この機会にThe Clashの真髄に触れてみてはいかがでしょうか。
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