【60年代ロック未体験者へ】伝説の始まり|The Creation完全ガイド

音楽レビュー
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ちゃちゃ丸

音楽コレクター歴25年、CD/レコード保有枚数2,500枚超|70年代パンク・ガレージロック専門|40代会社員として働きながら、マニアックな名盤から隠れた良盤まで実際に購入してレビュー|「次に聴くべき1枚」を探している音楽ファンのために、忖度なしの本音レビューをお届けします|愛犬:アメリカン・コッカー・スパニエル

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仕事帰りの電車で、いつものプレイリストをシャッフルする。

流れてくるのは、聴き慣れた2000年代のロック。

悪くはない。でも、何かが足りない。

あの頃感じた「未知の音楽との出会い」の高揚感は、どこへ消えたのか。

もしあなたが、そんな音楽的な渇きを感じているなら、1960年代ロンドンで生まれた”忘れられた革命”に耳を傾けてみてください。

The Creationというバンドが、たった2年間で残した16曲。

その音は、あなたが知っている「ロック史」を静かに書き換えます。

なぜ今、The Creation「How Does It Feel to Feel」が必要なのか?

2025年の社会背景

音楽ストリーミング市場は2025年も拡大を続けています。

Spotifyだけで5億人以上が利用し、何百万曲もが指先で聴ける時代。

しかし、その便利さの代償として、私たちは「選ぶ喜び」を失いつつあります。

アルゴリズムが推薦する似たような曲ばかり。

プレイリストは無限だけど、記憶に残る一枚がない。

そんな中、アナログレコードの売上は7年連続で増加。

特に30代以上の男性が、かつての「アルバム体験」を求めて、再びフィジカルメディアに回帰しているのです。

あなたは、かつて音楽に夢中でした。

CDショップで新譜を買い、ジャケットを眺めながら何度も繰り返し聴いた。

でも今は、サブスクで「ながら聴き」するだけ。

音楽への情熱は消えていないのに、出会い方がわからない。

新しいバンドを探す時間もエネルギーも、日常に飲み込まれてしまった。

この作品が解決すること

The Creationの「How Does It Feel to Feel」は、あなたに2つの体験を提供します。

ひとつは、ロック史の「隠された起点」を発見する知的興奮。

もうひとつは、16曲38分というコンパクトな傑作を、じっくり味わう至福の時間。

サブスクで試聴し、気に入ったらLPやCDで所有する。

その選択が、あなたの音楽体験を再び豊かにします。

音楽スタイル

音楽ジャンル:
サイケデリック・ロック、モッズ・ロック、ガレージ・パンク

音楽的特徴:
バイオリン弓で奏でるギター、疾走感あるビート、キャッチーなメロディ、実験的サウンド

類似アーティスト:
The Who、The Kinks、Small Faces、early Pink Floyd

おすすめポイント3選

  • Led Zeppelinより2年早い革新
    バイオリン弓でギターを弾く技法を1966年に確立。Jimmy Pageが有名にする前の「元ネタ」がここに。
  • Creation Recordsの名前の由来
    90年代UKインディシーンを代表するレーベル名は、このバンドへのオマージュ。音楽史の隠れた接点を体感できます。
  • 完璧なベスト盤構成
    16曲38分に凝縮された傑作群。長すぎず、飽きさせず、何度でも聴きたくなる黄金比率。

作品基本情報

作品名: How Does It Feel to Feel
アーティスト名: The Creation
発売年: 1982年(編集盤初版)
レーベル: Edsel Records
総再生時間: 約38分
収録曲数: 16曲

作品紹介

時代を超えた価値の再発見

1966年、ロンドン。

The Beatlesが「Revolver」でサイケデリアの扉を開き、The Whoが「My Generation」でモッズカルチャーを爆発させていた時代。

その渦中で、The Creationというバンドが誕生しました。

彼らの活動期間は、わずか2年間。

しかし、その短い時間に残した楽曲は、ロック史に消えない足跡を刻んでいます。

本作「How Does It Feel to Feel」は、1982年にEdsel Recordsからリリースされたベスト盤。

1966年から1968年にかけてリリースされたシングル曲を中心に、16曲を収録しています。

注目すべきは、ギタリストEddie Phillipsが開発した「バイオリン弓奏法」。

これは、後にLed ZeppelinのJimmy Pageが「Dazed and Confused」で使用し、有名になった技法です。

しかし、Phillipsはそれより2年早い1966年に、この技法を確立していました。

ロック史の教科書には載らない、しかし確実に存在した「革新」がここにあります。

世間的な評判と再評価

The Creationは、活動当時は商業的に成功しませんでした。

チャートに入った曲は「Making Time」(全英49位)と「Painter Man」(全英36位)のみ。

しかし、1980年代後半から状況は変わります。

90年代UKインディシーンを代表するレーベル「Creation Records」の創設者Alan McGeeが、バンド名の由来として彼らを公言。

OasisやPrimal Screamを輩出したレーベルの名前が、The Creationへのリスペクトだったのです。

また、RideやThe Godfathersといったバンドが、彼らの楽曲をカバー。

音楽評論家たちも、再評価を始めました。

Discogsのレビューでは「The only Creation record you need!」と絶賛され、5つ星評価が並びます。

2025年現在、本作はサイケデリック・ロックの「隠れた名盤」として、コレクターの間で高い人気を誇っています。

音楽的特徴と影響力

The Creationのサウンドは、モッズ・ロックの疾走感とサイケデリアの実験性が融合したもの。

キャッチーなメロディラインは、The KinksやSmall Facesに通じます。

しかし、彼らが他と一線を画すのは、Eddie Phillipsのギタープレイ。

バイオリン弓で弦を擦り、エフェクターで歪ませた音は、当時としては異次元の響き。

「How Does It Feel to Feel」のイントロを聴けば、その革新性が一瞬で理解できます。

また、プロデューサーShel Talmyの手腕も見逃せません。

彼はThe WhoやThe Kinksも手がけた人物。

本作のサウンドには、彼の「パワフルなのに繊細」なプロダクションが刻まれています。

2025年における価値

サブスク時代の2025年、この作品を「所有する」意味は何でしょうか。

まず、Porky Prime Cutによるマスタリングの音質。

これは伝説的エンジニアGeorge Peckhamの手によるもので、アナログの温かみと力強さが共存しています。

ストリーミングでは味わえない、LPならではの音場感があります。

次に、4ページのブックレット。

バンドの写真や当時のエピソードが記載され、1960年代ロンドンの空気を感じられます。

最後に、コレクター価値。

ED 106盤は、現在では入手困難な場合もあり、状態の良いものは価値が上がっています。

音楽を「体験」として所有する。

それが、2025年のフィジカルメディアの意味なのです。

エディション比較

LP版(ED 106)

メリット:
Porky Prime Cutマスタリングによる最高音質。4ページブックレット付属。コレクター価値が高い。

デメリット:
プレーヤーが必要。携帯性がない。価格が高め。

こんな人におすすめ:
音質にこだわる人、コレクションを楽しみたい人、アナログ体験を求める人。

CD版

メリット:
携帯性が高い。価格が手頃。ボーナストラック収録版もある。

デメリット:
LPほどの音質ではない。コレクター価値は低め。

こんな人におすすめ:
まず気軽に聴いてみたい人、車で聴きたい人、予算を抑えたい人。

ストリーミング

メリット:
無料または定額で聴ける。いつでもどこでもアクセス可能。

デメリット:
所有感がない。音質はMP3相当。オフラインでは制限あり。

こんな人におすすめ:
試聴目的、プレイリスト作成、まず知りたい人。

コレクター視点での結論:
本気で楽しむなら、LP版一択です。ただし、まずストリーミングで試聴し、気に入ったらLPを購入する流れがベスト。CD版は、携帯性を重視する人向けです。

おすすめトラック3選

1. How Does It Feel to Feel

バイオリン弓がギターの弦を擦る、あの独特の音色。

イントロの瞬間、あなたは1966年のロンドンにタイムスリップします。

Kenny PickettのボーカルはどこかThe Whoのような攻撃性を持ち、でもメロディは切なく美しい。

サビの「How does it feel to feel?」というフレーズは、一度聴いたら忘れられません。

この曲を聴かずして、The Creationは語れない代表曲です。

2. Making Time

疾走感あふれるビート、キャッチーなリフ。

これぞモッズ・ロックの真髄という一曲。

歌詞は「時間を作り出せ」という前向きなメッセージ。

1960年代の若者たちが感じていた高揚感が、そのまま音になっています。

2分半という短さも絶妙で、何度もリピートしたくなる中毒性があります。

3. Painter Man

アコースティックギターのイントロが印象的な、少し異色の一曲。

歌詞は、画家志望の青年が現実に直面する物語。

サビの「I’m just a painter man」というフレーズに、どこか哀愁が漂います。

The Creationの多面性を示す、重要な楽曲です。

後にBoney Mがカバーしてヒットさせたことでも知られています。

全収録曲リスト

Side A:

  1. How Does It Feel To Feel
  2. Life Is Just Beginning
  3. Through My Eyes
  4. Ostrich Man
  5. I Am The Walker
  6. Tom Tom
  7. The Girls Are Naked
  8. Painter Man

Side B:

  1. Try And Stop Me
  2. Biff-Bang-Pow
  3. Making Time
  4. Cool Jerk
  5. For All That I Am
  6. Nightmares
  7. Midway Down
  8. Can I Join Your Band

アーティスト概要

バンドの成り立ち

The Creationの物語は、1966年のロンドンで始まります。

中心メンバーは、Kenny Pickett (Vo)、Eddie Phillips (Gt)、Bob Garner (Ba)、Jack Jones (Dr) の4人。

彼らは元々、The Mark Fourというバンドで活動していました。

しかし、よりサイケデリックで実験的な音楽を目指し、バンド名を変更。

The Creationという名前には「創造」という意味が込められています。

マネージャーのTony Strattton-Smithは、後にGenesis、Van der Graaf Generatorらを手がける敏腕プロデューサー。

彼の人脈で、The WhoやThe Kinksを手がけたShel Talmyがプロデューサーに就任。

こうして、恵まれた環境で音楽制作が始まりました。

しかし、当時のイギリス音楽シーンは激戦区。

The BeatlesやThe Rolling Stonesが頂点に君臨し、その下には無数のバンドがしのぎを削っていました。

The Creationも、その中の一つに過ぎなかった。

ライブパフォーマンスでは、Eddie Phillipsがペンキ缶を持ち、ステージ上でキャンバスに絵を描きながら演奏する「ペインティング・パフォーマンス」で注目を集めました。

これは視覚と聴覚を融合させた、当時としては革新的な試みでした。

しかし、商業的成功には結びつかず、1968年に解散。

わずか2年間の活動でしたが、その音楽は時代を超えて評価されることになります。

アーティストの特徴

The Creationの最大の特徴は、Eddie Phillipsのギタープレイ。

バイオリン弓でエレキギターを弾くという発想は、当時ほとんど誰も試みていませんでした。

この技法により、持続音と歪んだ倍音が同時に鳴り、幻想的なサウンドスケープが生まれます。

また、Kenny Pickettのボーカルも特筆すべき点。

パワフルでありながら、どこか儚さを感じさせる歌声は、サイケデリック・ロックの理想形。

楽曲面では、キャッチーなメロディと実験的なアレンジの両立が魅力です。

ポップでありながら、前衛的。

この絶妙なバランス感覚が、The Creationの真骨頂なのです。

音楽シーンへの影響力

The Creationは、直接的な商業的成功こそ収めませんでしたが、その影響力は計り知れません。

まず、バイオリン弓奏法がLed ZeppelinのJimmy Pageに受け継がれたこと。

これだけで、ロック史における重要性は明らかです。

次に、90年代UKインディシーン。

Creation RecordsのAlan McGeeは、このバンドに敬意を表してレーベル名を決定。

OasisやPrimal Screamといったバンドのルーツとしても、The Creationは語られています。

また、Rideは「Making Time」を、The Godfathersは「Painter Man」をカバー。

これらのバンドを通じて、新しい世代のファンがThe Creationを発見しました。

2010年代以降も、ガレージ・ロック、サイケデリック・ロックのバンドたちが、彼らの音楽を参照しています。

表舞台には立たなかったけれど、確実に音楽史の地下水脈を形成してきたバンド。

それがThe Creationなのです。

主要バンドメンバー

  • Kenny Pickett (Vo)
  • Eddie Phillips (Gt)
  • Bob Garner (Ba)
  • Jack Jones (Dr)

スタジオアルバム一覧

The Creationは、活動期間中にスタジオアルバムをリリースしませんでした。

シングル曲のみを発表し、後年になってベスト盤や編集盤が制作されています。

  • We Are Paintermen (1967年) ※ドイツのみリリース
  • How Does It Feel to Feel (1982年) ※本作、編集盤
  • Our Music Is Red – With Purple Flashes (1996年) ※編集盤

筆者の個人的感想

The Creationの音楽は、ロック史の「if」を体現しています。

もし彼らがあと2年活動を続けていたら。

もしレコード会社のプロモーションがもっと強力だったら。

もしThe Beatlesほどの幸運に恵まれていたら。

そんな想像をしながら聴くと、この16曲がいっそう輝いて聴こえます。

2025年の今、この作品を手に取る意味は、単なるノスタルジアではありません。

それは、ロック史の「隠された起点」を発見し、あなた自身の音楽体験を更新する行為です。

サブスクで試聴し、LPで所有し、じっくりと味わう。

その過程で、あなたは音楽との新しい向き合い方を見つけるでしょう。

The Creationは、忘れられた伝説ではありません。

これから発見される、永遠の現在進行形なのです。

気になる方はコチラ

CD版:
How Does It Feel to Feel

LP(アナログ盤):
How Does It Feel to Feel [Analog]

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